今回受けた依頼は、葡萄酒の護衛任務でした。
パーティーを組んだウッディさんのお話では、人や物を奪う幽霊が森に出るという噂があったそうです。
生前の執着を残したアンデットは経験があります。
ですが、そんな簡単な話ではありませんでした。
ヴァンパイアバット。
吸血種の血を吸い、吸血種になりかけた巨大な蝙蝠です。
これが噂の幽霊の正体でした。
味方は強く、戦闘自体は簡単に終えることができました。
ですが疑問が残ります。
本来知能が低いヴァンパイアバットが何故飲みもしない葡萄酒を奪おうとしたのでしょう?
人や家畜を住処に攫って血を啜る。
これなら理解できます。
しかし、奴らは物資も多く奪っていったようです。
もし、ヴァンパイアバットを使役する者がいるとすればそれは……。
そして、その存在は街から数日の距離に潜んでいるということになります。
強くならなければなりません。
なんとしても。
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