師匠からのメッセージ : 日誌
ルト=ラスタ  (投稿時キャラデータ) hatarake 2019-03-02

遺跡探索から戻り、自室に入ると、机の上に音声記録用のマギスフィアが置かれていた。
誰かからの伝言かな、と思い再生してみる───

『…あー、あー…よし、ちゃんと録れてるっぽいかな。…ごほん。
やっほー、久しぶりルトちゃん、って声だけじゃわからないか。君の愛しの師匠、アルヴィンさんだよ。
本当は直接会いたかったけど、丁度仕事中だったみたいだね。だから、ボイスメッセージとやらを使ってみたよ。
いやあ、君に剣を教えてからもう3年か。早いものだね、時の流れというのは。
そして、その3年間で随分と成長したみたいだね。冒険者の店の……なんて言ったっけ、マリアンダーさん?彼女からいろいろ聞いたよ。いやあ、師匠として鼻が高いね。
もしかしたらもう、1対1じゃ君に勝てないかもしれないね───と、積もる話はある訳だけど。
それはそのうち話すこととして。今日は君に、すごく大事な話がある。心して聞いてくれ。
……君の近況について聞いて回ってるうちに、耳に入ってしまったんだけどね。君の初恋の人であるモルツ君とやらには、既に恋人と呼べる存在がいるらしい。アイリスちゃん、って言ったっけな。
しかもかなり深く愛し合ってるときたもんで、なんと言うか……負け戦、ってやつだね、もう。
どうしてそんなことを伝えたんだ、って?はは、愛弟子の初恋がピエロ役で終わる、なんて、アルヴィンさんとしても辛いからね。それに知っておかないと困るだろうと思ってさ。
……だけど、この話をしたうえで敢えて言うよ。君の想いは、ちゃんと彼に打ち明けるべきだ。
断られたっていい。気持ちを押し殺したまま生きるよりは絶対に楽だ。……なんて、恋愛経験の少ないアルヴィンさんが言っても説得力はないかもしれないけど。
とにかく、彼に想いを伝えるんだ。じゃないと一生後悔するし、周りの人達も気が気じゃないだろうからね。
……だけどもし、どうしても諦められない、気持ちを割り切れないと言うのなら、一つだけ最終手段が無いでもない。せめてもの贈り物として、それを君に教えよう───』



……。モルツさんにも、師匠にも、言いたいことが山ほど出来た。
覚悟を決めた私は、遺跡で手に入れたインクで手紙を書き始めた。

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