熱はいまだ灯らない : 日誌
ユカリ  (投稿時キャラデータ) ノア 2019-09-26

たった十秒の攻防。
即死だった。

考えてみれば当たり前の話。
致命的な攻撃を、幾度も回避できなかった、軽戦士の末路など。

溶岩の大蛇に、締め上げられた元警吏の男性は、あっさりと、肉体を業火に焼かれ、肉体面で六割。人の姿を辛うじてとどめているような、もはや炭というべきであろうそんな状態で死んでいた。

だが、別に、なんとも思うこともない。
依頼を共にしただけだ。
そして、致命的な失敗から誰かが死ぬなんて話はどこにでもある話。

だから、そんな死に意味などない。

私はただ、あわただしく動く面々に、ただ決まりきったように、役割をふって。その場を後にした。

心に熱は、まだ、灯らない

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