初めての冒険、冒険者というもの : 日誌
アリシア・ルフトヘイム  (投稿時キャラデータ) れいとうたまご 2020-06-13

 今日、初めての冒険を終え無事にブランブルグへと帰りつきました。その記念……というには少々おかしいですが、わたしがこれから冒険者として生きていく、そのことを実感したこの日を忘れないためにこれから日記を書くことにしました。

 初めての冒険は、わたしに思っていた以上の『初めて』を教えてくれました。『初めての街の外』、知識では知っていました。わたしの居る所だけでなく世界はもっと大きく広いものだと、そのことを初めて見たどこまでも続いていそうな道を見て胸の高鳴りとともに識ることができました。『初めての開拓村』、街とは違う小さな村、そこで暮らしている村の人、そんな識らない世界を見て感動し、同時に彼らが怯えそれでも大切なものを失いたくないと日々を戦っていたのだろうと、なにも知らず楽しくなっていた自分に恥ずかしくなってしまいました。
 あとは………そう、ぉとこの子に手をはじめて手をにぎられ……ってな、なにをかいているんでしょうわたし!!な、なしでこれはなし!!

うん、えっとそう『初めて』のこと、一番大きな、絶対忘れてはいけないこと、
『初めての死』
わかっていた、いえわかっていたつもりでした。冒険者は様々な仕事をして、蛮族と戦いこれを殺す。……そのことをわたしは甘く考えていたんです。初めて蛮族を見て碌に動けなかった。戦いもかろうじて支援はできましたが、ゴーレムは簡単に破壊され仲間をひとりで前に立たせてしまった。目の前で死んだゴブリンを見て一歩間違えば自分がこうなるのだと、…わたしが殺したボルグを見て、わたしを憎しみの目で見ている…気がして…あの時は必死で意識していなかったけど、帰ってから我慢できずにもどしてしまいました……。

 そして、そんな死の恐怖に震えながら、それでもわたし達に助けをもとめた、コボルドの少年。彼がいなかったらきっと村は滅んでいた、わたし達が居ても全滅していたと思います。そんな彼を…わたしは助けてあげられなかった。村の人たちが悪いわけでは…ないんだと思います。それが当たり前で当然のことだから。それでも、彼を集団で嬲り殺した村の人々が憎いと思ってしまって、そんな風に思ってでも、彼の遺体を村人達から保護しようとすることもできなくて、そんな……わたしが、いちばん…いやで…………

 きっと、これから冒険者をしていればこんなことに出会うこともまたあるのだと思います。だから、今度は後悔しないように『冒険者』として生きていく。それを忘れないよう、ここに記します。

せめて、コボルドの彼が心安らかに輪廻へ帰ることができることを、願います。

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