旅路の果てに : 日誌
ウォロ またたび一座 2018-07-31

 もう、どれくらい歩いただろうか。

 故郷は遥かに遠く、記憶の片隅に残っている程度で明確な方向や距離はわからない。あの日、旅立ちの日、両親や家族の反対を押しきって家を飛び出してしまった事は今でも悔やみきれない。あの頃、毎夜に渡って夢で語りかけてきた神を名乗る何かは一体なんだったのか。日々顕れる微かな啓示を頼りにこんなところまで来てしまった。
 小高い丘に上って見渡せば、噂に聞いたブランブルグの町が見える。周囲には森に、河に、砂漠に、海にと変化に富んだ、まるで大陸の縮図のような地形だ。

 俺は外套に溜まった砂を払い、下ろしていた口元を被う布を再度上げる。目視できる距離にあるとはいえ、それなりに歩くだろう。今日中には着いてしまいたい。久しぶりに柔らかいベッドで眠れる事を願って、俺はまだ名も知らぬ神に祈りを捧げ、わずかに疲労を覚えはじめた身体に活を入れ、歩き出した。

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