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20190116_1 SW2.5/2.0 セッションログ : 百の剣亭 Cルーム : 2019 年 1 月 17 日

2019/01/16
SYSTEM
20:53:04
GMペナルティ様が入室しました。
#
20:54:19
 

 
 
 
くるみ割り人形
 
 
 
 
20:56:03
 すいーつ卓はここみたいですよ!
 えっと、えっと、自己紹介をどうぞって書いてあります!
 あ、先輩もですからね、どうぞ! 出番はちょっと後ですから、お茶でも飲みながら!
SYSTEM
20:59:51
リンウェ様が入室しました。
リンウェ(@PL:茶色), エルフ, 男性, 16歳, コンジャラー 5Lv, レンジャー 2Lv, セージ 3Lv,
《魔法拡大/数》《魔法拡大すべて》《MP軽減/コンジャラー》
SYSTEM
20:59:54
シール様が入室しました。
シール・トラン(@PL:九夜), 人間, 女, 15歳, ファイター 5Lv, スカウト 4Lv, エンハンサー 3Lv,
《かばうⅠ》《防具習熟A/盾》《防具習熟S/盾》
#リンウェ
21:00:21
こうしたほうがいいですかね。周りからみてわかりやすくするためにも
シール
21:00:50
身長158cm、セミロングの金髪に上半身は金属鎧に盾で完全防備、下半身はスカートに黒のニーソックスと
ロングブーツと上半身に比べて下半身が貧弱すぎる女の子。頭の中身も貧弱。
#
21:02:35
 そんなふうでもよさそうです、先輩。すべては先輩の望みのままに♡
 それでは、今回のゲストにして主演の方もお迎えして、すいーつらいふ、はじめましょう! よろしくお願いしまーす。
シール
21:03:14
あんなぽっと出の奴には負けない!よろしくお願いしますー
#リンウェ
21:03:15
ではこれでいきますね!よろしくおねがいします
SYSTEM
21:07:33
カペラ様が入室しました。
#
21:07:40
 
 
 
 
 
 
 
 
SYSTEM
21:08:27
カペラ様が退室しました。
SYSTEM
21:08:39
カペラ様が入室しました。
カペラ = チプリアーニ(@PL:みかん), リカント, 男性, 17歳, グラップラー 3Lv, スカウト 1Lv, レンジャー 1Lv, セージ 1Lv,
《防具習熟A/非金属鎧》《回避行動Ⅰ》
シール
21:08:51
部屋が違いますよ?
#リンウェ
21:08:54
失礼。新人さんですね!
カペラ
21:09:07
ああ、すみません
#リンウェ
21:09:21
部屋が変わったみたいです。Bルームだそうなので、そちらへどうぞ
カペラ
21:09:27
Bでした。失礼しました。
SYSTEM
21:09:30
カペラ様が退室しました。
#
21:11:33
 なんだか病室を間違えたひとがいたみたいですけれど、あらためて――
21:11:41
 
 
 
 
 
 
 
 
 
21:11:57
 
 『彼女』は眠っている。
 目覚める兆しなどなく。
 
 君は――シールは、この『眠り姫』の友人のひとり。
 その日も見舞いのために寝所を訪れた。
 
 『彼女』――リンウェは、眠ったままだ。
 まるで時が止まったかのように、衰弱などの兆しもなく。
 お伽噺であれば、キスをすれば起きるのだろうか。
 取り巻くイバラなどは、ないけれど。
 
 リンウェは、アークフィリア学院付属の施療院の一室にて、眠っている。
 今のところ、対処法は見つかっていない。
 このような状態になる例は、いくつかあるが、理由はさまざまであり、
 少なくとも悪疫や魔法の呪いではないようだが、それ以上のことまでは。
 
 白い部屋にて、白い寝具に包まれ、『彼女』は眠る。
 側には、来訪者のための椅子が一つ、ぽつんとある。
 
シール
21:13:58
「こんにちはリンウェちゃん、今日はね、綺麗な花が売ってたから買って来たのよ、今花瓶に活けるわね」返事がないことは分かっているが喋りかけずにはいられない
21:14:58
「・・・やっぱり私に花を活けるセンスとかは無いわね」花瓶に活けて窓際に飾りつつ、椅子に座る
#
21:15:52
 リンウェは、静かに眠っている。
 君の声は届かない。あれから一度も届いていない。
 端整な睫に縁取られた、薄い貝殻のような瞼は、ぴくりともしない。
シール
21:17:13
「リンウェちゃんならこうしたほうがいいと思いますって教えてくれるんだろうけど・・・、早く起きて教えて欲しいな・・・」
21:18:45
「御伽噺のお姫様みたい・・・、私が白馬の王子様にでもなれば起きてくれたりしないかな・・・」リンウェの顔を見ながら
21:19:12
「まあ王子どころか騎士にすら私はなれなかったんだけど・・・」
#
21:19:22
 こうして彼女に見舞をすることに、意味はあるのだろうか。
 このまま永遠に起きないかもしれないというのに。
 いつかは疲れて、あるいは他のことに時間を取られて、少しずつ、会いに来なくなるのかもしれない。
 あるいは君自身が、冒険の中で命を落としてしまうのかもしれない。
 ――そう。どうして、会いに来るのだろうか……?
シール
21:22:09
「リンウェちゃんはね、私の大事な人よ?賢くてかわいくていろんなことを教えてくれて・・・、私もっと教えて欲しいの、私だけじゃ多分間違ったところに行っちゃいそうだから・・・」
21:23:51
「いつ私が私じゃなくなるかわかんないけど、リンウェちゃんと話してるときは不安が抑えられてた気がするの、女の子らしく出来てたからあの子も満足してくれてたのかもしれない」
21:25:42
「だからリンウェちゃん早く起きてもっといろんなことを教えて頂戴、じゃないともう・・・」いつかの満月の夜に私は消えてしまうかもしれない
#
21:26:18
 リンウェがこの施療院の一室を宛がってもらえたのは、学院生だからというのも一因だろうが、
 症状を研究するためというのと、もとより何も治療や世話の手間がかからないというのが、大きいだろう。
 診療の他には、時折、褥瘡を防ぐためと、あとは清掃のために人が訪れるくらいだ。
 代謝自体が止まっているようであり、寝具や着衣の交換すら要さないほどだった。
 
 まるで人形のように、『彼女』は眠っている。
 しんと静まり返った病室に、シールの声だけが響く。
 口を閉じれば、あとは、すべてが静止したような静寂のみ。
 
 だからだろうか、ふと、瞼が重みを……眠気を覚える。
 うとうとしはじめれば、リンウェの体の輪郭をした寝具は、きっと安らかな枕になるだろう……。
シール
21:28:00
「なんだか眠くなってきたわね・・・ちょっとだけ・・・一緒に寝かせてもらうわね・・・」リンウェの手を握りつつ椅子に座ったままベッドに突っ伏す感じで寝てしまう
21:28:29
「おやすみリンウェちゃん、早くおはようって言わせてね・・・」
#
21:29:53
 意識は、沈んでいく。
 浮遊感と失墜感が綯い交ぜとなった、あの安らかな心地の彼方へ――
21:30:10
 
 
 
 
 
 
#
21:30:13
 
 
 
 
 
 
21:30:57
 
  

 
  

 

 
 

 
 

 
  

 
21:32:16
 
「――――こんばんは♪」
 
 きっと、これは夢だろう。
 形にならない輪郭が、紫紺の煙のように渦巻く闇の中を、
 シールはさかさまに堕ちている。
 
 その背後、耳元で、甘い声がそう囁いた。
 
シール
21:32:51
「こ・・・こんばんは?」
21:34:00
「これは・・・夢?」
21:35:03
何度も自分の身体が自分で操れない状況になってるから夢と現実の境がいまいち実感できない時があるのです
21:35:40
「夢ならもっといいもの見せてくれればいいのに・・・、なんで落ちなきゃいけないのよ・・・」
#
21:36:09
 緩慢に自由落下していくシールとは違い、声の主は、自由に浮かぶことができるようだった。
 ふわりと目の前へ回り込んできたメリアの少女は、
 こちらは足を下にして一緒に落下しているため、上下互い違いだ。
 
 青林檎のようなグリーンの髪を、リンゴの白い花が髪飾りのように縁取っている。
 タートルネックのノースリーブシャツに軍服風のオフショルダーのワンピース。
 リンウェの格好によく似ているが、色違いでこちらは桃色だ。
 ――落下により捲れそうなスカートを、両手で押さえて、ちょっと頬を染めている。
 
「はい、夢ですよ♡
 えっと、明晰夢みたいな感じでしょうか。そういうの、わかりますか?
 リンウェ先輩の、お友達……シール先輩」
シール
21:37:08
「めーせきむ・・・、・・・夢ってわかる夢のことかしら?」
#
21:37:48
「それはもちろん、意識層を深く、普遍層くらいまで落ちないと、
 リンウェ先輩に会えないからです――会いたくない、ですか?」
 
 少女は、不思議そうに、大きな目をまばたきさせた。
シール
21:38:20
「・・・あなたは私の事知ってるのね?・・・リンウェちゃんに会いたいかですって?」
#
21:39:37
「はいっ、夢って自覚してる夢のことですね!
 さすが本物のシール先輩。リンウェ先輩の中のシール先輩より賢い!」
 
 修正しなくっちゃ、とか、困ったふうに付け足した後、
 無邪気な笑顔を返して、
 
「もちろん、知っています。
 わたしは、リンウェ先輩の夢に住んでるんですから♪」
シール
21:39:38
「会いたいに決まってるじゃない!あなたが何いってるかよくわからないけど私の夢の人ならそれくらい分かるでしょ!」
21:40:33
「リンウェちゃんの夢に? 私の夢じゃないの?」
#
21:42:32
「分かります、けれど、やっぱり自分の身がかわいいとか、いろいろあるかもしれないじゃないですか。
 わたし、無理強い・・・・はできないし、したくないんです。
 幸せは、自分で選び取るもので、わたしがするべきなのは、お手伝いだけなんですから」
 
 くるりと少女の上下は回り――つまりシールと同じ向きになって――、
 手を差し伸べてくる。
 
「今は、ちょっぴり、シール先輩の夢にお邪魔してますけれどね。こうやって誘うために。
 いっしょに、来ますか? それとも、怖いですか……?」
シール
21:43:14
「あなたの言ってることは正直良くわからないわ、・・・だけど
21:43:55
正直怖い気もするけどリンウェちゃんに会えるのならなんだってするわ、私を連れて行って」
21:46:18
「後なるべく分かりやすい言葉で説明するときはしてよね、じゃないと正直私理解できないわ!」
#
21:47:02
「わかりました。それじゃ――」
 
 シールの手を取り、少女は引き寄せるようにして肢体を近づける。
 そうして、目の前で、少し恥ずかしげに、
 
「――わたしの唇に、キスしてください。それが、約束の証。
 わたしといっしょに、無何有の彼方へ向かうことの。
 わたしは闇の妖精、夢魔アルプ……アップルって呼んでくださいね、先輩♪」
シール
21:48:12
「何でもするって言ったけどいきなりね・・・、アップルちゃんよろしく頼むわよ」
21:49:10
「待っててねリンウェちゃん・・・」唇をアルプと合わせて
#
21:50:33
「夢幻こそ我の踊り場、是なる接吻は贈り物。
 汝を試さず欺かず、久遠の契りを誓いたり」
 
 甘い接吻の中でも、不思議と、少女の声がそう唄うのが聴こえた。
 そして、眠りに落ちるときの失墜感そのまま、ひとたび、すべては闇に溶ける……。
シール
21:50:43
「ところでむかうってなに?」
#
21:51:53
 何もなくって、けれどすべてが生まれてくる、そういうもののことですよ、先輩。
 ――最後に、そんな律儀な囁きが、聴こえたように思えた。
 まるで、まさにそこへと、案内するかのように――
21:53:39
 
 
 
 ♡  ♡  ♡  ♡  ♡
 
 
 
 その夜・・・のリンウェは、どのように過ごしているだろうか?
 どのような暮らしも、思いのまま、望みのまま。
 けれど、王侯貴族のような生活を、欲したわけでもないだろう。
 どんな場所で――どんな家で――どんな部屋で――どんな格好で。
 
#リンウェ
21:58:29
リンウェは夢の世界で思いのままの姿でいた。
勇気がでなくて着れなかった、いつもと違うワンピース。
頬と唇には赤みがまし、胸は膨らんでいる。
21:59:20
草花の生えた庭園で、友人と2人、紅茶を飲んでいる。
……偽りのシールと。
#
22:03:06
 得てして夢は無秩序なもの、或いは特有の頑迷なる法則が支配するもの。
 そのいずれが今は力を持つのかは――はたして。
 
 シールが目を開けると、美しい花々が咲き乱れる庭園に坐していた。
 向かいには、優雅に紅茶を飲んでいるリンウェの姿がある。
 より女の子らしさが増した様子……だ。
 
(はい、こっちのシール先輩と置き換えてあげましたよ、シール先輩。
 リンウェ先輩、ちょっと驚くかもですけれど……)
#リンウェ
22:03:38
「ふふふ、そうなんです。今度描くのはあちらの花にしようと思ってて……」
絵の話をしていたらしい。シールが切り替わったことには気づかず、そのまま話を続けていた
シール
22:04:07
「リンウェちゃん!!」
22:04:21
ガタンと立ち上がって
#リンウェ
22:05:17
「はいっ!?」
目をぱちくりさせて。 ここはリンウェの夢の世界。
全てが思いのままであるが故に、今まで彼女を驚かせるようなことは起きるはずもなく。
シール
22:06:17
「本当にリンウェちゃんなの!?ああでも夢って言ってたわね・・・本当のリンウェちゃんとも聞きにくいし・・・どう聞けばいいのか良くわからないわ・・・」尻すぼみになんていっていいかわかんなくなって座る
#リンウェ
22:06:58
数か月ぶりに訪れた”予想外の出来事”だった。リンウェは驚きのあまり全身の力が抜けてしまった。
シール
22:07:17
「私シールよ!夢の中とか言う話みたいだけど会いに来たわ!」
#
22:07:18
 いっそう華やかさを増している他にも、シールが気付くことがある。
 碧眼寄りだったはずのリンウェの瞳は、今は、アメシストのような紫色を帯びている。
 綺麗ではあるが、見ていると、不思議と、見入ってしまいそうな魅力がある。
シール
22:08:11
「なんかリンウェちゃんイメチェンした?より女の子っぽくなったって言うか見入っちゃうような魅力があるって言うか・・・?」
#リンウェ
22:08:41
「……???」 「あっ……そうか。私を喜ばせようとして、アップルさんがやってるんですね」
まるでシールが来たとは信じていなかった。
声は元のリンウェの声より無理がなく、高く感じる。
シール
22:09:54
「アップルちゃんって言う良く分かんないメリアの子がここに連れてきてくれたのよ、だからアップルちゃんがやってるのはあたってると思うわ!」
#リンウェ
22:10:33
「これは淫魔の瞳なんですよ。こうやってじーっと見続けていると、私のことが好きになるんです」
シールをじっと見る。
シール
22:11:21
「そうなの?でも見続けなくてもm私は元々リンウェちゃんのこと好きよ?」
#
22:11:46
(人は、直接、人と知り合って語り合うわけでは、ありません、シール先輩。
 誰でも、自分の中に、相手の“像”を作って、理由や意味を付加して、それと会話するしかないのです。
 だから、これまでリンウェ先輩の夢にいたシール先輩は、紛うことなく、“リンウェ先輩が知るシール先輩”でした。
 リンウェ先輩にとっては、本物と本物――本質的な違いは、主観的には、ないんです。
 それでも、何かが違うと……シール先輩は、納得させてあげることが、できますか?)
#リンウェ
22:12:04
にんまりと笑って
「私も好きです」
シール
22:13:23
(難しいことを言うわね、もっと簡単に言ってほしいわ・・・、つまりリンウェちゃんにこの私が本当の私思ってもらえってことかしら・・・?)
22:14:10
「相思相愛ね!」
#リンウェ
22:14:23
「(楽しい。夢の中から出られないと分かっていても、こうした驚きがあるだけで心が湧きたちます。)」
今までシールには見せたことのないような悪戯な笑みを浮かべている
シール
22:15:47
「私こうやってリンウェちゃんと久しぶりにお話できて本当に楽しいわ、・・・だからこそもっと一緒にいたいの」
#
22:17:06
(えっと、ぶっちゃけると、そうですねっ。
 シール先輩は、ご自身は、リンウェ先輩の頭の中のシール先輩とは、何が違うと思いますか?
 違いがないって思われるなら、“本物”だって認めさせる必要は、なさそうです)
#リンウェ
22:17:06
「はい、ずっと一緒ですよ。急に改まってどうしたんですか」
シールの手を握り、安心させるように。
シール
22:19:14
(リンウェちゃんのイメージしている私と本当の私の違い・・・)
22:20:12
「でもねリンウェちゃん、私はこんな夢の中で一緒にいたいんじゃないの、起きて現実の世界で一緒にいたいのよ」
#リンウェ
22:20:19
「(どれだけ離れてたりしたって、どれだけ近づいたりしたって、けして別れることはない。
それが夢の世界の人間関係……。煩わしいことは何もないんです。いくらでも我が儘でいられる)」
22:20:38
「…… どうしてそんなこと言うんですか?」 きょとんとした顔をして
#
22:21:32
(――この夢は、リンウェ先輩の幸せ。現実ではきっと果たせない、願いの結実です。
 わたし、リンウェ先輩を、幽閉しているわけでも、起きられなくしているわけでもありません。
 リンウェ先輩ご自身が、ここを選んだのです。
 それはたとえば……シール先輩が、騎士になれて、幸せになれた世界と、同じようなこと、です)
シール
22:22:24
(そうなのね、リンウェちゃんにとってはここが幸せだから出たくないって事なのね・・・)
#リンウェ
22:23:01
「ここの世界なら何でもあるんですよ。シールさんだって女の子らしく、たまには騎士として戦うことだってできるのに」
シール
22:24:18
「最初から何もかもあるところにいたって何も面白くないわ、私はねつらいことばっかりの世界でも自分の手で生きたいのよ」
#
22:25:03
(だから、夢は現実じゃない、という、よく人が口にする理由だけで否定することは、できれば、しないであげてください。
 現実は、人が認識できる主観ひとつひとつで、もとから、違うのです――
 ――えっと、簡単にいうと、夢でも現実でも、幸せならそれがいちばんです)
#リンウェ
22:25:17
「面白くない……?」
シール
22:25:51
「そうよ!私はね自分の手で幸せになりたいの!」
#リンウェ
22:26:16
「私には…… 私にはここしかないんです……」 わなわなと立ち上がり 「来てくれないんですか、シールさん」
シール
22:27:23
「リンウェちゃん?」
22:28:05
「リンウェちゃんにはここしかないなんてこと無いわよ」
#リンウェ
22:28:31
「いや、もうこれぐらいにしましょう。来て、シールさん」
いつもこの世界の中で思い通りにならないことがあるとするように。
両手を合わせ、組むようにしてシールを見つめる
シール
22:30:12
「来てるわよ?」
#リンウェ
22:30:57
「……」 「どうして……」
シール
22:31:48
「私がここに来たのはね、ここに残るために着たんじゃないわ、リンウェちゃんを連れ帰りにきたのよ」
#リンウェ
22:32:28
「本当に、シールさんなんですか?」 よたよたと後ずさりし
シール
22:33:28
「そうよ!私は私よ!迎えに来たわ、リンウェちゃん!あなたは寝てたから知らないだろうけどみんな心配してるのよ!」
#リンウェ
22:34:28
「そんなはずないです。私にそんな構ってくれる人なんて 夢の世界ぐらいしか」
22:35:35
「私の思い通りだから そんなこと言うんですか」 両目を閉じ 涙を流す
シール
22:36:22
「・・・リンウェちゃんのためにいってるんじゃないわ、正直私のわがままね」
#
22:36:50
(そう、この夢で、シール先輩に違いがあるとすれば、それは、リンウェ先輩の幸せに反する、ということ。
 でも……シール先輩、そんなことしたら、嫌われてしまうかもしれないですよ。理解してくれない、って)
シール
22:38:20
「いったでしょ。私は私の手で幸せになりたいって」
22:38:27
「私の夢は騎士になることだったわ、父に押し付けられた夢だったけど必死にがんばったわ、でもなれなかった女だったってことだけで」
#
22:38:36
(“現実”では果たせない願いもあります。努力して掴み取ることをよしとしても、明日には死んでいるかもしれません。
 本当の幸せは、夢の中にしか、ないんです……挫折も、死も、ここにはないんですよ)
シール
22:40:00
「そして私の中にあの子が生まれた、もっと自由に生きろと、好き勝手したいって言うもう一人の私が」
22:40:34
「いつもね、不安に潰されそうだったの、自分がいつ自分じゃなくなるかって・・・」
#
22:40:44
(リンウェ先輩の願いは――、えっと……えへへ、わたしから教えちゃうのは、アンフェアですね。
 わたしは……先輩の幸せを願ってるだけ、です。ずっと……いっしょに、いたいから……)
シール
22:42:30
「でもねリンウェちゃんとであって、ちょっと変わった気がしたのよ、ただ守るってだけじゃなくて心から守りたい人を守れる感じになったのよ」
#リンウェ
22:42:30
「もう一人の……?」 それは、リンウェの知らないシールの一面だった。
シール
22:43:26
「そう思えてる間だけはあの子も大人しくしていたの、なんでかはわからないけど・・・」
22:45:18
「リンウェちゃんが外の世界でも幸せになれるように私が守るわ、それがきっと私の幸せに繋がるのよ」
22:46:44
「何言ってるか自分でも良くわかんないけど・・・、私頭悪いから・・・」
#リンウェ
22:47:10
「ここまで……本当にここまで来たんですね、シールさん」 しがみつくようにシールの鎧を持ち
22:48:07
「ごめんなさい、私、そんなシールさんの悩みを知らなかったんです。自分のことは自分だけで、終わりだと思ってました」
シール
22:49:35
「賢いリンウェちゃんがこの夢から出たくないって思うってことはリンウェちゃんも悩んでいたんだよね、私も全然気付いてなくてごめんなさい」
22:50:40
「でもね、悩んでることがあるなら私でよければ言ってちょうだい?私は夢の中の私みたいにうまくは出来ないけど一生懸命一緒に悩んだりしてあげることくらいは出来るわ」
#リンウェ
22:50:49
ふるふると首を振って 「ごめんなさい、ごめんなさい……」 シールのそばで泣き崩れる
シール
22:52:14
「泣かないでリンウェちゃん」そっと支えつつ
#
22:53:00
「はーい、クッキーが焼けましたよ、せーんぱい♡」
 
 ふと、そんな無邪気な声と共に。
 焼き立てのお菓子をトレイに載せた、メイド服姿のアップルが、庭園を訪れた。
 
「……え、あれ? ど、どうしたんですか、先輩……?」
シール
22:53:49
「私はひどいやつよ、幸せな夢の中にいたリンウェちゃんを連れ出そうとしてるんだから、でもね、私の幸せのために一緒にここから出てほしいのリンウェちゃん」
#リンウェ
22:54:01
「アップルさん……?」 涙で赤く腫らした目でアップルを見る
シール
22:54:42
「アップルちゃん、今大事なお話中なのよ」
22:56:42
「私はリンウェちゃんとここから帰りたいの、邪魔するなら怒っちゃうわよ」
#アップル
22:57:24
「んもー、シール先輩……わたしの大好きな先輩を、泣かせちゃったんですか?
 知らないんですか、泣き声は妖精を呼び寄せるって昔から、いうんですよ!」
 
 メリアですけれど、と困ったふうに笑って、
 お盆を卓上に置くと、リンウェの涙をそっと指先で拭う。
 
「わたし、邪魔したことなんて、ないですよ。
 先輩のことを、大切に想っているだけ、です」
シール
22:57:34
「でも連れてきてくれたのもアップルちゃんだから怒れないわね・・・」
23:00:03
「リンウェちゃんのことを大切に想っていてくれるのはうれしいわ、でもあなたのやってることは独り占めよ、夢の世界に捕らえて」
#リンウェ
23:00:07
「アップルさん、本当のシールさんなんですか。あなたが作りだした幻じゃないんですか」
#アップル
23:03:21
「先輩は、幸せなはずなのに、心のどこかにまだ『ためらい』や『未練』を残しているみたいでした。
 だから……夢の外と、もう一度、触れあうことで、心が決まる助けになるんじゃないかなって、思ったんです。
 “現実”では、明日には死んでしまうかもしれません。願いは叶わないかもしれません。
 先輩の願いは、特に――、……です、から」
 
 知恵の実の花を咲かせた少女は、柔らかく微笑んで、
 
「捕らえてなんて、いませんってば。
 わたし個人は、もちろん、ずっと側にいたくて、大好きですけれど」
シール
23:03:47
「願い・・・?」
#リンウェ
23:05:35
「……そういう、ことだったんですね」
シール
23:06:41
「・・・リンウェちゃんの心を完全にここに引き止めるために私を利用したって事?」
#リンウェ
23:07:35
「アップルさんの言う通り……もしかしたら私にも心配する人がいるかもしれないという ”淡い希望”を持っていたのは確かです」
23:08:23
「そしてそれは今、本当のことだと分かりました」
#アップル
23:08:29
「わたしは夢魔アルプ、精神こころの国の導き手。
 ここには、他の誰でもない、先輩自身の真実があります。
 現実の人は、夢は虚構といいますけれど……それは、先輩の『心』を偽りというようなもの。めっ、だと思いますぅ」
 
 利用――には、ふるふると髪を左右に揺らして、
 
「もう一度、決めてもらうため、です。
 わたしは無理強いなんて、しません。でも、ここが先輩の幸せだと思いますから、言葉では引き留めます」
#リンウェ
23:09:44
アップルの言葉に、ゆっくりと頷き 「でも……シールさん。私、現実の世界に帰るのが怖いんです」
シール
23:11:03
「そうよね、現実の世界はなにが起こるか分からないから怖いわよね」
23:11:28
「都合のいいことばかり起こるわけでもないわ・・・」
#アップル
23:12:50
「ちなみに、アルプはですね――」
 
 魔物知識判定を行える。知名度は13/18。
 リンウェは、とうに知っている。
 
 ♡スイートポイント♡
 ・シール先輩は、何かの2dを振るときに、MPを1点消費して、2dを振らずにその出目を12にできますよ!
シール
23:13:16
私のMP8しかないんやぞ!
#アップル
23:13:33
 8回もできるじゃないですか♡
#リンウェ
23:13:39
PCは知っているが、PLは知らなかった。
23:13:47
がんばれシールさん。
シール
23:13:54
じゃあ一回使っちゃう MP1消費して
23:14:09
マモチキだ 12
23:14:57
知識判定は12で自動成功に出来るんでしたっけ?
#リンウェ
23:14:58
「シールさ……」 引き留めようとしたが 言葉が淀む。 一緒に夢の世界にいられるかもしれないという邪な願望がリンウェの中で疼く
#
23:15:19
 まさに、現実と違い、“都合の良いことに”シールはその知識を想起した。
 アルプ=アップルが伝えていることに、偽りはない……ようだ。  
 http://www.piyosword.com/sw2/monster/data/1547669141.html
#リンウェ
23:16:40
「ここなら私はありのままの姿でいられます」
シール
23:16:57
「ありのままの姿?」
#リンウェ
23:17:54
「シールさんだって、私のこと変だって思ってたんじゃないですか。だから女の子らしいっていって、勇気づけようとして」
シール
23:18:01
(本当にアップルちゃんは危害を加える感じではないのね)
23:18:40
「リンウェちゃんが変・・・?私がおかしなことばっかりして止められてた気がするけど・・・」
#
23:19:08
(もちろんです。そんなつもりなら、シール先輩を招いたり、するはずないじゃないですか、んもー)
#リンウェ
23:19:18
「とぼけないでくださいっ」
シール
23:20:10
「とぼけてなんていないわよ!リンウェちゃん私が頭悪いって事も忘れちゃったの!?」
#アップル
23:20:19
「…………」
 
 メリアの少女の方は、何やら頬を染めている。
 ベッドのことを思い出したりしているのかもしれない。
#リンウェ
23:21:15
「でも鉄道で見たでしょう!?」
怒った様子でリンウェが手を振ると、階段がそこに現れる。
リンウェはつかつかとそれに登りながら語り始める。夢さながらの不条理さだが。
シール
23:21:50
「星空がきれいだったわよね・・・」
23:22:40
「リンウェちゃん、私はっきりといってくれないと多分分かってないわ・・・」
#リンウェ
23:23:01
「そういう気遣いも嫌なんです!」 階段の上から声をあげ
シール
23:23:35
「・・・」
#アップル
23:24:33
「行きましょう、シール先輩。
 今の嫌は、本気だけれど、本気ではないですよ」
 
 シールの手を取って、アップルは階段へと誘う。
#リンウェ
23:24:54
「私からは言いたくないんです 分かってください」
唇を噛んで泣きそうな声で
シール
23:25:32
「・・・私は嫌われても、リンウェちゃんのために出来ることをしたいわ」階段を進む
23:26:04
見識か何かでリンウェの悩みを推測できないですか?
#
23:27:01
(見識でわかることではなさそうですけれど、ついていけば、その内、わかると思いますよ、先輩)
シール
23:27:17
(ついていきます)
#
23:28:29
(と言っても、わたしも、リンウェ先輩がどうなさるのかは、わかりませんけれど。
 わたしは、望みのままに、可塑的な具象を描くだけの、絵筆みたいなものですから!)
シール
23:28:41
「(私はリンウェちゃんの言いたくないことを言わせようとしたり、ひどいことばかりしてるわね)」
#リンウェ
23:29:44
「現実に戻ればバカにされることだってあります」
シール
23:30:57
「・・・」自分が女であることがばれたときの周囲のこちらをバカにするような視線を思い出す
#リンウェ
23:31:12
「シールさんと一緒にいた人たちは優しい人ばかりだったかもしれませんけれど。勘がいい上に、心の隙間を突くような言葉をかける人だっているんです」
シール
23:32:24
「私が女とばれた日のことは忘れないわ」
#リンウェ
23:32:54
「女と?」
シール
23:33:04
「それまで友達も作れず、父と来る日も来る日も剣の訓練、楽しいことなんて何もなかった」
23:33:33
「父は厳しく私を褒めたことなんて一回もなかったわ」
#アップル
23:33:57
 メリアの少女は、悲しげに目を伏せる。
 無論、揶揄するような存在は、夢の登場人物にはいないし――そもそも。
シール
23:34:02
「同い年の子達からもあいつは遊びもしないしつまらない奴って言われてた」
23:34:59
「そんな生活を経て騎士見習いの試験を2年前に受けたの」
23:35:36
「私のところはね、騎士になれるのは男だけだったのよ、だから私はそれまで必死に父の願いをかなえるためにがんばったわ」
23:36:11
「結果は合格、ようやく今までやってきたことが報われたと思ったわ」
23:36:57
「始めて人に褒めてもらえるって思った時、気が緩んだのね、女だってそのタイミングでばれちゃったのよ」
#リンウェ
23:37:35
「……どうなったんですか」
シール
23:37:49
「あの時の周囲の私をバカにしたような視線は忘れられないわ、父もその後私にろくに声をかけることもなくなったわ」
23:38:07
「あっさり合格も取り消しよ」
#リンウェ
23:39:44
「でも、シールさんは……」 そう言いかけ
#アップル
23:40:43
「それは、残念でした、先輩。
 わたしは、女の子でも、すてきだと思うんですけれどね!」
 
 屈託のない笑顔で言って、段差を登りつつ、
 
「この階段は、どこへ続くのでしょうか」
シール
23:41:42
「それで私の心も歪んだのね、満月の夜になると歪んだ私に身体を乗っ取られちゃうのよ」
#リンウェ
23:41:48
「……続いてほしいんですか」 そう言うと 周囲が裏路地のような場所になる、そこに入り込む
シール
23:42:36
「ここは・・・?」
#リンウェ
23:42:59
「じゃあ猶更どうして現実の世界に戻りたいんですか」
23:43:37
「ここなら男の人として生まれ変わって 騎士にだってなれますよ」
シール
23:43:44
「なんでかしらね・・・」
#リンウェ
23:44:03
「お父さんにだって認めてもらえるでしょう」
23:44:40
「シールさん 私に女の子らしくなりたい って言ったのはウソだったんですか」
#アップル
23:44:54
「歪んでいる、のでしょうか……? どっちが本心・・本当・・なのかは、誰にもわからないこと、です。
 それがシール先輩の内なる声だとしたら、もしかすると――」
 
 と、アップルは途中で黙し、周りを見回す。
 実際に夢をリンウェの願いのままに描いているのは夢魔なのだから、意外ということはあるまいが。
シール
23:45:00
「そうかもしれないわね・・・、多分ここにくる前の私なら現実には戻らず騎士になりたいって言ってたでしょうね」
23:46:18
「でもね、ここに来てからの私は楽しいの、自分の意思で生きてるのよ、つらいこともあるけど」
#リンウェ
23:46:34
「その通りです」 人一人いない、暗く細いレンガ作りの建物の陰を歩く
シール
23:47:10
「自分の意思で守りたい人を守れる、女の子らしくだって自由にできる、幸せだったのよ」
#リンウェ
23:48:46
「……羨ましいです」 リンウェが立ち止まると、影が長く伸びる
シール
23:49:33
「羨ましいかしら?」
#アップル
23:49:46
「そうできる内は、充実していると感じるのかもしれないですね。
 昔の挫折を忘れるために、新たなやりがいを求めるのは、正しい人の心のありかたです」
 
 ――次に、それがまた蹉跌するまでは。
 と、少女は言わなかったが、そう続きそうな余韻の声だった。
#リンウェ
23:50:28
「シールさん あなたは騎士になりたいのであって 男になりたい訳じゃない そうでしょ?」
シール
23:51:15
「そうね、騎士になりたいというのもちょっと違って父に喜んで欲しかっただけだけど・・・」
#リンウェ
23:52:15
「お父さんを。ブランブルグなら女の人だって騎士になれますし 冒険者として名声をえれば喜んでもらえるかもしれませんよね」
問い詰めるような刺々しい言い方だ。
23:53:26
レンガの壁に浮き上がったリンウェの陰は、リンウェよりも数倍ある狼のような形となってシールの陰に食いかかる
シール
23:53:32
「そうかも・・・しれないわね」もう2年会っていない、あの時の全てをあきらめた表情から考えるともしかしたら自殺してるかもしれないが
#リンウェ
23:55:50
「でも私はどこに行ったって同じです。ここより満たされる希望なんてない!」
#アップル
23:56:13
「…………」
シール
23:57:21
「何も試してないのに諦めるの?」
#リンウェ
23:58:19
「試す……?」 「本当に分からなかったんですね!だから友達になれたんだ!」
23:58:56
「”元々”の私はね、男性なんです!あなたの知っている女の子じゃないんです!」
シール
23:59:18
「・・・リンウェちゃん・・・」
#リンウェ
23:59:53
「変態で、汚くて あなたのことをずっと騙してたんです!」
2019/01/17
シール
00:00:09
「・・・」
#リンウェ
00:00:54
「私は試し続けていたんです!ずっと! 幻滅、しましたか」
シール
00:01:12
「・・・正直驚いたわ」
00:02:02
「私全然気付いてなかった・・・、友達とか言ってあんなに一緒におしゃべりもしたのにね」
00:02:55
「でも幻滅とかしないわ、するわけないじゃない!」
00:03:08
つかつかと近づいて
#リンウェ
00:03:23
「どうして……?」
シール
00:04:27
「男の子でも関係ないわよ、私の知ってるリンウェちゃんは賢くてかわいくてセンスのいいリンウェちゃんなんだから、それは変わらないわ」
#リンウェ
00:05:28
「……気づかなかったから そうかもしれないですけど」
#
00:05:33
 
 煉瓦の壁に、映写の如く、かつての“夢”の断片が写し出された。
 <right>
 明かりが落ちた、寝室――簡素な寝台の上に、『少女』達の体が重なっている。
 圧し掛かるアップルの繊細な手指が、組み敷かれたリンウェの衣の残りを、ゆっくりと剥ぎ去っていく。
「見ちゃ、だめ……!」
 服を脱がされ男性的な肩と胸部があらわになると、リンウェの頬にうっすらと涙が流れる。
「……ね……せんぱぁい……」
 自身の布も脱ぎ捨てたのち、そっと肌を重ねて、少女はそう甘える。
「好きです、先輩…………好き……」
 甘い小声は、切々と、そう浸潤する――愛撫の快楽と共に。
「……いて……くれますか……? 約束の、キス……、して……くれます、か……?」
 リンウェは、沈黙の中、そっとアップルの頬に片手を伸ばす。
「夢の世界なら……君以外の友達とも、ありのままの姿で、仲良くできるかな……」
 そして、そっと両手で少女の頭を寄せ、接吻を交わした。
 
シール
00:06:10
「私は貴方を受け入れるわ、絶対にバカにしない、幻滅したりしない、貴方を守るわ」
#リンウェ
00:06:20
「……やめて、見ないでくださいっ!」 壁を覆い隠すように
シール
00:06:48
「・・・」
00:07:30
「・・・そうやってリンウェちゃんの心の闇につけこんでいたのね」
#アップル
00:09:09
「知ってほしい、でも、知られたくない――
 矛盾してるって思うかもしれませんけれど、心は、そういうものなんです」
 
 シールの言には、首を傾げて、
 
「誰だって、心の闇はあって、わたしはそれも愛おしいです。
 そんな“願い”を叶えてあげて、幸せにしたいんです」
シール
00:09:56
「私の気持ちは変わらないわ、さっきも言ったとおり、リンウェちゃんがリンウェちゃんらしくいるかぎり私は貴方を受け入れる」
#リンウェ
00:10:15
「シールさん……」 目に涙を浮かべ
00:10:58
「酷いことも言ったのに 誤解し続けていたのに 受け入れてくれるんですか」
シール
00:11:30
「正直私以外の人がどういう反応を返すかなんて私には保障できないわ、でもどんなことがあっても私はリンウェちゃんと一緒よ」
#リンウェ
00:11:38
「年老いたら 女の子の恰好だってきっとできなくなる。エルフでも同じ姿を保てる訳じゃないんですよ?」
シール
00:12:12
「別にいいじゃない、そのころには私はもっとよぼよぼよ!」
00:13:21
「どんな格好になったってリンウェちゃんはリンウェちゃんよ!」
00:14:05
「私に出来るのは私は貴方と一緒にいるってことだけよ、それでも避ければ一緒に帰りましょ
#アップル
00:14:17
「ずっと、隠していることの重圧と罪悪感から、やっと、ここで解放されたんです。
 そんな日々にまた、逆戻りすることが、幸せだと……シール先輩は、思うのでしょうか……」
#リンウェ
00:14:35
リンウェが目をこすると、煉瓦の壁が崩れ、元居た庭園が広がってゆく。
「たとえ気休めだったとしても……嬉しいです……」
シール
00:15:23
「違うわよ、アップルちゃん、外の世界が幸せかじゃないの、私が幸せにしてあげるのよ!」
00:16:21
「2人で幸せな世界を外で手に入れていくのよ!」
00:17:14
「・・・な、なんかプロポーズみたいなこと言ってる気がするわ」ちょっと赤くなりつつ
#リンウェ
00:18:30
「もしシールさんが私のことを認め続けてくれるなら…… 私もシールさんのことを幸せにできるよう、頑張ります」
#アップル
00:18:41
わたしと違って・・・・・・・、シール先輩には、そんな保証はできません。
 依存する先が、わたしではなくシール先輩になるってだけです」
 
 じっと、シールを見つめながら、少女は言う。
 
「リンウェ先輩の“願い”は……」
#リンウェ
00:20:08
「ありのままの姿で。そう願いました」
シール
00:21:27
「リンウェちゃん・・・」
#リンウェ
00:22:08
「……でも、この中じゃ”偽物の”シールさんしか作れないし がわを纏った私でしか付き会えないのかもしれません」
シール
00:22:53
「そうね、私は本当のリンウェちゃんと一緒にいたいわ」
00:23:40
「アップルちゃんみたいな力は私には無いわ、それでも精一杯のことをするわ」
#アップル
00:24:32
「……そうですか。
 先輩、あんなに可愛がってくださっていたのに、わたしの愛じゃ、満足できなかったんですね」
 
 メリアの少女の髪を飾る花が、萎れ、枯れ、散っていく。
 伴い、波及するように、庭園に鏤められた色彩も色褪せ、ゆっくりと枯れはじめる。
#リンウェ
00:24:36
「ありのままの姿というのはどのような姿なのか。教えていただけますかアップルさん」
シールの方により 夢に堕ちていた時とは違う目でアップルの方を見据える
#アップル
00:28:09
「ありのままの先輩は、老いることを恐れ、女性となることを求め――
 自分の理想像を守ることを自己実現とする、弱いかたです。
 それでも、わたしは、先輩のことが好きです。
 いっしょに旅をしたときのこと、憶えていますか……?」
#リンウェ
00:30:19
頷き 「よく分かっているようですね。
もちろん覚えていますよ。その前から後輩としてよく慕ってくれていたことも」
00:30:49
「ごめんなさいアップルさん。あなたは私のことを愛してくれていたのに、気が付けば私はあなたの夢しか愛せないようになっていた。あまりに甘美すぎる夢は清い関係の邪魔をします。」
シール
00:31:57
「(アップルちゃんもリンウェちゃんを好きだったという気持ちに疑う点は無いわ、その点には感謝するわ・・・)」
#アップル
00:32:21
 草花が枯れたのちの庭園は、黒ずんだ土だけが広がっている。

「そもそも、わたしが、どうして、後輩という設定にしたと思いますか?
 『成功』や『実現』は、いつだって、相対的なもので、絶対的なものではないのです。
 たとえばシール先輩が、盾の一撃で竜をやっつけるとしたらすごいですけれど、
 全員そうできるなら、すごくないですよね」
シール
00:33:55
「それはそうね、誰でも出来るような、たとえばコップで水を飲んでもすごいとは言わないわね」
#リンウェ
00:34:39
「そうすることで、私の自尊心を満たそうとしてくれていたのですか」
#アップル
00:35:48
「だから、わたしは、先輩の下位互換――先輩より下で、先輩の成長を実感できる存在でないと、だめだったのです。
 リンウェ先輩が魔道をきわめたとき、わたしは必ず、それより下で、追いかける立場。
 先輩を敬愛して、賞讃する立場……そういう相手が、先輩に必要だと思ったから、です……」
 
 両手を握り合わせて、夢魔は訥々と言う。
 
「『私も頼ってくれてうれしいです』……と、先輩は、言ってくれました。
 『わたし、一生ついていきます』……と、わたしは、答えました。
 最初は、そう、先輩の自尊心を満たしてあげたくて、でしたけれど……
 ……気付けば、そんな輝いてる先輩に、本当に惹かれてしまっていました」
シール
00:36:48
「・・・」
#アップル
00:38:23
「――今のリンウェ先輩を、引き留めてしまったら、不幸せにしてしまうのかもしれません。
 わたしは、幸せな夢を見せてあげたいのですから、そんなことは、できません。
 たとえ……大好きで、行かないでほしいって、心から思ってても……できないの、です……」
#リンウェ
00:38:51
「私もあなたのことを可愛がっていましたし
実際、あなたの言う通り魔法の上達……いや、それ以外の様々な状況含め、私の自信につながっていましたよ」
シール
00:40:23
「(・・・アップルちゃんは優しいのね)」
#アップル
00:41:02
 黒ずんだ土は、その質感を――現実味を、失い、単なる黒色へと漸増していく。
 眦を指先で拭って、アップルは切々と言う。
 
「だから……」
#リンウェ
00:41:40
「ありがとうございます」礼をして
「帰して……いただけますか」
シール
00:41:40
「(私を連れてきたのもリンウェちゃんの心残りを無くしてあげたかっただけなのね・・・)」
#アップル
00:42:35
 一呼吸を置いて、涙の余韻を残しつつも、少女は笑顔を見せた。
 
「望めば、いつだって、目覚められるんですよ、んもう。
 ……だから、その……これは、わたしの、お願いなんです、けれど――」
#リンウェ
00:43:42
「……」ほっと胸をなでおろし
「なんでしょうか」
#アップル
00:44:02
「――たまに、夢の中に、遊びに行って、いいですか?
 リンウェ先輩……シール先輩も。
 ほ、ほら、ちゃんと幸せにできてるか、監視しなくちゃいけませんしねっ。
 それで、もしだめそうだったら……また、お誘いするんですから。
 そうならないように、せいぜい、がんばってみてください……ね」
#リンウェ
00:44:41
「いいですよ、ちゃんと見る夢の中なら。 ……ほどほどにしてくださいね」 はにかんで
シール
00:45:03
「・・・私もいいわよ、幸せなリンウェちゃんの姿を見せ付けてあげるわ!」
#アップル
00:45:09
「えへへー、淫らな夢のことはヒミツにするので、おまかせくださいっ」
シール
00:45:47
「そういうのはいけないと思うわっ!」笑いつつ
#リンウェ
00:47:05
「たまにはまた、前のように……前のようでなくてもいいですが、現実の方にも会いにきてくださいね」
シール
00:48:35
「私にも現実であいにきてよね、一緒にお茶しましょ?」
#アップル
00:49:02
「……ふふっ。
 リンウェ先輩ってば、最後まで勘違いしてる。
 あれは、わたしと会ったところから――アップルという後輩がいるところから、ぜんぶ、夢ですよ?
 やっぱり……わたしのことは、鈍感」
 
 童女のように、アップルは手を振った。
 その姿もまた、周囲の夢の具象すべてと同じく、無形の……無何有の闇へと溶けていく。
#
00:49:11
 
 
 
 
 
 
#
00:49:14
 
 
 
 
 
 
00:49:50
 リンウェは、病室の寝台の上で――
 シールは、その上へ上体をうつぶせにしている形で――
 
 目を覚ました。
シール
00:50:20
「・・・んぅ」
00:50:31
「・・・夢?」
00:50:55
目を擦りつつ上体を起こして
#リンウェ
00:51:07
「…… わっ」 シールの下になっていることに気づき 少し慌てて
00:51:16
「ここ、ここどこですかっ」
シール
00:51:28
「リンウェちゃん・・・!」
00:51:51
「おはよう!」せっかくおきたのにまたのしかかりつつ抱きしめる
00:52:37
流石に鎧姿ではないのできつく抱きしめても痛くは無いだろう
#リンウェ
00:52:38
「あ、ありがとうございます」 戸惑いながらも抱き返し
#
00:53:09
 シールの紫色の瞳・・・・に映るリンウェは、簡素な寝着を帯びている。
 リンウェの紫色の瞳に映るシールは……平時の着衣のようだ。
シール
00:53:46
「ここはアークフィリア学院付属の施療院の一室よ、ずっと寝てたんだからリンウェちゃんは」
#リンウェ
00:54:38
「長い事寝てたとは思っていましたが…… 学院にまでご迷惑を」 少し顔が青ざめつつ
00:55:06
「あれ、シールさん。目が……」 紫色の目に気づく
シール
00:55:38
「目?そういえばリンウェちゃんの目の色も変ね、紫色になってるわ?」
#
00:56:29
 仄かな輝きを帯びた、紫水晶アメシストのような色合いの瞳だ。
 じっと見ていると……魅入られたように/見入ってしまいそうになる――
#リンウェ
00:57:07
「あ、えっとこれは夢の中でもいった通り…… いけないっ」 シールから目をそらし
00:57:24
「まさか戻ってきてもこのままなんて」 自分の顔を抑え
シール
00:57:24
「なんかみていると吸い込まれそうね」まじまじと近くで見てた
00:57:49
「このまま?」
#リンウェ
00:59:27
「アップルさんの呪い……ではなく祝福、と言えばよいのでしょうか。見つめてると魅了してしまうんです」
シール
00:59:57
「へー・・・アップルちゃんの力ってすごいわね・・・」
#リンウェ
01:00:17
「ごめんなさい、シールさんにもかかってしまったみたいで……こんなことにまで巻き込んでしまって」
#
01:00:39
 古謡などに時折、妖精視フェアリーサイトというものが散見される。
 それらは妖精の祝福により授かる、魔眼・邪眼の類であると云い、良い効力のこともあれば悪い効力の場合もあるが、
 いずれにせよ、カルディアの子らにもたらされた神秘のひとつであるとされていた。
 
 さて――病室を出るならば、寝着から、着替えないといけないだろうが――
シール
01:00:45
「まあ気にしなくてもいいじゃない!私はリンウェちゃんのこと、もう好きだから特に気にしないわ!」
01:01:34
「いいのよ、戻ってきてくれたんだから、それだけで私うれしいし、巻き込んでもらえてうれしかった!」
#リンウェ
01:02:01
「本当にシールさんは頼もしいですね。ありがとうございます」
シール
01:02:09
「さてリンウェちゃん、まずは起きたことを報告しないといけないわ!心配してくれた人の会いに行きましょ!」
#リンウェ
01:02:57
「そうですね。あ、その前に着替えないと……」 近場に着替えがないか探り
シール
01:03:38
「大丈夫?ずっと寝てたんだし体きついなら私が着替え手伝うわよ?」
#
01:03:50
 普段着一式などは、身の回りの品と共に、置いてあるようだ。
 というより、冒険者の店の部屋を空けないといけなくなったため、ここに置かれたというべきか。
シール
01:04:04
「確か服はこっちに・・・」持ってきてあげて
#リンウェ
01:04:54
「ありがとうございます。大丈夫です、着替えくらいは……」 そう言って、ベッドから降りようとする
#
01:06:26
 体力が落ちている……ということは実際はないのだが、夢の中と違って、重たく、動きにくく感じる。
 ずっと少女の身体だったのだから、当然だろう。
 少なくとも、長旅などできるような慣れを取り戻すには、かなり要しそうだ。
シール
01:06:43
「無理はダメよリンウェちゃん、困ったことはすぐに相談してよね」服を近くにおいてあげて降りるのに手を貸して
#リンウェ
01:08:10
「んう、すみません……」 足ががたんと地面に落ちる
シール
01:09:01
「ゆっくり慣らしていきましょ、私が支えるわ」
#リンウェ
01:09:49
「ありがとうございます。で、でも着替えはなんとか自分で……」手近なへりに掴まってよろよろと立ち上がり
シール
01:10:31
「ああもう見てられないわ!そんなよろよろで何言ってもダメよ私が着替えさせてあげるわ!」
#リンウェ
01:12:06
「うう、恥ずかしくて……見られたくないので」 顔を赤くし
シール
01:13:18
「大丈夫よ、私は気にしないわ!といいたいけどこれじゃあまりにもデリカシーがないわね・・・」
01:14:20
「それじゃあ、私担当の先生とかを呼んでくるから、それまでに着替えてね」
#リンウェ
01:15:19
「はい、お願いします……」しおらしく、しゅんとなってシールを送り
シール
01:15:32
「リンウェちゃん!」
#リンウェ
01:15:54
「はいっ!」 Σ ボタンに手をかけたところでびくっとなり
シール
01:16:11
「ちゃんと幸せにするために私がんばるから!これからもよろしくね!」満面の笑みで
#リンウェ
01:18:00
「……私、シールさんに来ていただけて本当に嬉しかったです。自分の思い通りになったんじゃないかと思うほど」
01:18:16
「私も頑張ります。よろしくおねがいしますね」
#
01:18:24
 
 そんな言葉を交わしている二人を、小さな影がかすめた。
 それは、窓の外――飛び立ち、空を横切っていった、一羽の鳥の影だった。
 
01:18:27
 

 
くるみ割り人形 end.
 
 
01:18:37
 
 経験点:1000+50=1050
 報酬額:1000(解明により施療院から)+〈淫魔の瞳〉
 名誉点:20(同上)
   
 http://www.piyosword.com/sw25oritems/view/272
シール
01:18:43
お疲れ様でしたー
#
01:18:54
 お疲れ様でした!
#リンウェ
01:19:21
お疲れ様でしたー
シール
01:20:19
顔が埋まる感じなんですね
#リンウェ
01:20:26
GM様、九夜さん、ありがとうございました……
#
01:20:42
 タイトルは、古来、胡桃は人の脳の形にも喩えられるから――夢をクラッキングするといったニュアンスで。
 そんなわけで、夢に取り込まれることもなく、帰ってくることができました。
#リンウェ
01:21:27
なるほど、そういう意味合いだったのですね
シール
01:21:38
リンウェちゃんが戻ってきてくれてよかった
#
01:21:46
 顔が埋まるほどあるのはアップルの方――もとい、顔装備が埋まってしまいます。
 取り除きたい場合は、解呪するしか。
#リンウェ
01:22:50
PLの心もだいぶ救われました
シール
01:23:18
今はこのままでいいですね
01:23:35
私も大分救われた気がします
01:24:18
一時期大分落ちてましたから・・・
#
01:24:21
 アップル=アルプからの、お友達の証――みたいなものですね。呪いだけれど。
 
 リンウェは、PCとしてはロストですが、たまにCCとかしてあげると楽しいかも。
 というわけで、それでは、ご参加ありがとうございましたー。
 
 と、お年玉のアビスシャードも、もらえるようです。
#リンウェ
01:24:58
せっかく戻ってきたので、NPCとしていずれ出現する時がある……かも……?
シール
01:25:00
はい、いただきます
01:25:41
シールはもうリンウェ専属の騎士になるのです
#リンウェ
01:26:08
シールさんにもぜひ元気を取り戻していただけたら……!
シール
01:26:16
いつでも声をかけてくれれば駆けつけます!
01:27:16
一時期私の落ちた心はシールを娼婦に落とすとこまで考えが行ってましたからね、救われてよかった
01:28:09
CCでも何でも声をかけてくれるとうれしいです!それでは撤収いたしますね
#
01:28:09
 淫魔の瞳がちょうど役立ちますね――(違)
#リンウェ
01:28:26
はーい、ありがとうございましたー!
シール
01:28:31
今貰ったんですよねーw
01:28:39
お疲れ様でしたー
SYSTEM
01:28:42
シール様が退室しました。
#リンウェ
01:28:50
シールちゃんのストーリーの一つになれば幸いです。
01:29:37
こちらもおちますね。夢の中に落ちる時のグラデーションとかすごく凝ってて見入ってしまいました!
#
01:29:53
 それでは、次なる夢へ――
#リンウェ
01:30:04
何より楽しかったです。ではではー
SYSTEM
01:30:06
リンウェ様が退室しました。
SYSTEM
01:32:44
GMペナルティ様が退室しました。
発言統計
その他(NPC)191回52.8%18804文字76.5%
シール169回46.7%5747文字23.4%
カペラ2回0.6%20文字0.1%
合計362回24571文字

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