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SW2.5/2.0 TRPG セッションログ 百剣亭 20180827_0

2018/08/27
SYSTEM
15:05:37
GMペナルティ様が入室しました。
#
15:06:03
 

 
 
 
あの白い部屋
 
 
 
 
15:06:15
 
 今日も、君はあの白い部屋を訪ねた。
 扉をノックして、開く。
 
SYSTEM
15:09:09
ユーエン様が入室しました。
#
15:09:13
 
 君は入室した。
 
 アークフィリア魔法学院付属施療院――
 研究調査などの目的も兼ね、難病の患者を収容する施療院である。
 その一室が、彼女の部屋だった。
 
 清潔な白い部屋は、窓際に寝台が配されており、
 そこに寝る――今は上体を起こしている――少女もまた純白だ。
 長い長い髪も、透けそうな肌も、簡素な寝着も。
 
 病に伏す彼女は、いつも君の来訪を心待ちにしていた。
 言葉は素っ気なく、笑顔ひとつ見せることないものの。
 君の話に耳を傾け、そして君が帰るときには寂しそう。
 
 医師はよれば、病の改善は――
 彼女の生きる意志によるところが大きいという。
 今の彼女は……冷たい終わりを受け容れている。
 
 最初、君はふとした偶然で、この部屋に来た。
 何らかの用事があったのだが、病室を間違えたのだ。
 君の心は分からないが……以来、時折にこうして来る。
 今日もまた――
 
ユーエン
15:10:08
ドンドンドン ドンドンドン といつものようにうるさくぶっきらぼうにドアをノックして入る
15:10:49
「俺ちゃんもマナーを守れるようになったものよね」 入った後ばんっと扉を閉めて
#
15:11:16
「…………どこが?」
 
 静かな紅玉のような瞳が、君を見る。
 思えば、彼女のことはほとんど何も知らない。あまり喋らないからだ。
 だが、彼女の方は君をそれなりに知るだろう。かなり喋るからだ。
ユーエン
15:12:07
「え、なんだよ 今のじゃダメだっていうのか?」 近くの木椅子を引っ張り出して座って
15:12:27
「もうこれでダメ何回めだ」
#
15:14:00
「数えてない」
 
 少女は愛想なく言う。
 ただ、突き放すような言い方でもない。
 
「よく飽きないね」
ユーエン
15:14:58
「それはこっちの台詞だぜ」笑って
15:15:21
「おまえが飽きないから来てやってんのよ」
15:16:26
「あーあ、もうユーエンなんでウンザリ、なんて顔してくれればうるさいノックが聞こえることももう無いだろうな」 冗談めかして
#
15:17:19
 白い少女は、その生気の乏しさと相俟って、まるで精緻な人形のようにも見える。
 寝着は肩から二の腕にかけて切れ目があるもので、華奢な腕の肌が露わだ。
 そこに、緩やかに波打つ雪色の髪がかかっている。
 髪はそのまま伸び……おそらく、彼女の身長に近いほどの長さだろう。
 少女は幾度かまばたきする。繊細な睫毛が上下に動く。

「……そう。
 今、そんな顔、してる?」
ユーエン
15:18:23
「(しかしまあ、長いこと続いたものだな、最初は傭兵仲間のケガを見に来た所から始まったんだっけか)」なんて思い出す
15:18:38
「してません」
15:19:33
「そうだ、前きたときより変わったことといえばな、俺冒険者になったんだぜ」
15:20:22
「傭兵として魔神とだけ戦うのはもうヤメだ。これからは遺跡を探検したり、蛮族から人々を救ったりするのヨォ」
#
15:21:56
 稀有な魔物に負わされた傷により、容易には解けぬ毒の類だったのだろう。
 遥か異方の夢薬なる麻薬に近しい効能であると突き止め、治療し終える間まで、
 傭兵仲間の様子は無残だったものだ。
 
 しかし、この少女の、実際の病状については、妙な話だが、まだ知らない。
 いや、医師が説明はしてくれたのだが、専門用語ばかりでよくわからなかった。
 少女自身も、自分から話すふうでもなく、今に到る。
 名前くらいは、病室の名札にあるので、知っているが……
 
 ……フェーレース。
15:22:47
 
 君の言葉に、少女は少し反応した。
 
「そうなんだ。……前より危険なの?」
ユーエン
15:23:15
「まだよく分からねーけど、大して変わらないと思うぜ」
15:24:08
「なんだ、心配してんのか?」
#
15:24:45
「…………別に。
 ……どうして、冒険者? どんな心境の変化?」
 
 今日は新記録だ。少女の方から三回もなにかを訊ねてきた。
ユーエン
15:25:43
「同じやつらとばっか顔合わせるのに、飽き飽きしちまったのよ」 手をひらひらさせ へん、と笑って
15:26:32
「(ま、お前の病を治す方法を探すためってのも、ちょっぴり無くはないけどな)」 口には出さなかった
#
15:28:12
「……わたしにも、とっくに飽き飽きしてそうなのに。
 おかしなユーエン」
 
 淡々とした語調だが、語尾はわずかに柔らかいようにも感じられた。
 案外、この少女の基準では、笑ったようなものなのかもしれない。
 
「また来たら、冒険の話、聞く」
ユーエン
15:30:40
「え?」 「ま、まあ、それはそれ、これはこれだ」 おかしなユーエンと言われて、少したじろぎ
15:31:06
「おう、聞かせてやるよ」>冒険の話
#
15:32:57
「…………っ」
 
 何か言いかけて、少女は小さく咳き込んだ。
 人体施療の心得がなくとも、なんだかまずそうに聴こえる、肺の奥から絞り出すような咳だ。
 大抵は、すぐに収まるが……少女の手が覚束なく動いて、ベッドサイドの水薬を取ろうと手探る。
ユーエン
15:33:36
「お、おいっ」 「これか?」 水薬を拾い上げ
#
15:35:04
「……んっ……」
 
 受け取ろうとするが、咳のたびに跳ねる手はぎこちない。
 少し恥ずかしげに目をそらして、軽くおとがいを上げ、待つようにしている。
ユーエン
15:36:04
「いいっ、口を開けてろよ」 左手で軽くあごにふれ、右手で薬を少しずつ流し込む
#
15:37:47
「ぁ、――――」
 
 徐々に注がれる薬液を、少女は懸命に嚥下する。
 命への執着などは感じないが、それでも苦しいのは嫌なのだろうか。
 こうして飲ませてもらっているときは、素直だ。そして、弱々しい。
15:38:44
 
 対症療法めいたものだろうが、ポーションはその効能を表し、咳はひとたび薄らぐ。
ユーエン
15:40:19
ポーションが空になったのを確認して
15:40:31
顎から手を離し 「どうだ」
15:41:30
「(くそ、医者のヤロー生きる意思だとかテキトーなこと言いやがって)」
#
15:41:35
 触れるときはいつも、少女の体の冷たさが伝わる。
 彼女にしてみれば逆に、触れる手の熱をひときわ感じるのだろうか。
 
 幾度か、少しずつ深く深呼吸をしていって息を整えた後、彼女は小さく頷いた。
 
「……まだ生きてる」
ユーエン
15:42:03
「『まだ』はいらねー。生きてる、でいい」
#
15:43:30
 ありがとう、とフェーレースは口にしない。
 ただ、澄んだ赤葡萄酒の水面めいた瞳は、それを代弁するように、じっとユーエンを見上げていた。
 こうして距離が近い今も、真っ直ぐに。
 
「……うん。
 でも、お互い、明日も知れぬ身だから」
ユーエン
15:44:37
「……」 距離が近いことに気づいて、少し恥ずかしがって顔を離す
15:44:56
「あの医者もヤブ医者だけどよ、フェーレース」 少しうつむき気味に言う
15:45:40
「お前にも、ぜってー生きてやる、っていう気合が必要なんじゃねーか?」
#
15:45:41
 内心は読めないが、少女は気にしたふうもなく見つめたままだ。
 幽かに首を傾げると共に、白い髪が微動する。
 
「なに?」
ユーエン
15:46:17
「オレの仕事が危険なのは百も承知だが 死ぬ気はさらさらねえ」
#
15:46:31
 問い返した後、続く言には、小さく溜息をついた。
 
「……これでも、未練ひとつだけで、生きてるつもり」
ユーエン
15:47:27
「なんだよ未練って」
#
15:47:57
「………………」
 
 少女は黙り込んだ。
 不思議と、なんだか怒っているような気配だ。
ユーエン
15:48:35
「あー、なんだ。プンスカか?言いたくねーのか」へらへらして
15:49:15
「言っとくがな、その未練が無くなったら死ぬってんなら、俺はぜってー叶えてやんねーぜ」
#
15:49:59
「……うん。叶えたら、ゆるさない」
 
 声だけで、ぷいっとした。仕草は伴わない。
 
「わたしのこと、どうでもいい。
 ユーエンの話、聞く」
ユーエン
15:51:21
「俺の話か? そうだなあ」
15:51:43
「あ、レプラカーンにあったぜ この辺じゃ珍しいだろ」
15:52:04
「しかもヒゲが生えてねえの」 髭をもっさもっさするジェスチャーして
#
15:53:23
 再び、処女雪色の髪が揺れる。今度は縦に。
 
「……ユーエンは、生やさないの? 髭」
ユーエン
15:54:21
「オレェ?」 せっかくレプラカーンの話だったのに、なんて思いんがら
#
15:54:57
「うん」
ユーエン
15:54:59
「俺は清潔感がウリだからな」 へへ、と笑って もちろんテキトーな冗談である
#
15:55:18
「清潔感…………」
 
 なんだかジト目にみえる。
ユーエン
15:56:00
「おい、そこは『うんうんそうだね』って頷く所だろう!」
#
15:56:37
「……うんうん、そうだね。
 ユーエンの心がキレイなのは、知ってる」
 
 棒読みだ。
ユーエン
15:57:34
「へいへい、そーですか」
15:58:00
「……ヒゲ、生やしたほうがいいと思うか?」 自分の顎を触りながら
#
15:58:44
「…………」
 
 細い手を、おもむろに差し伸べてくる。
 ユーエンの頬に触れるてみるために。
ユーエン
16:00:06
「……」 少し顔を赤くして 自分から女性の身体に触ることはあっても、女性から触られたことはそんなに多くない。まして顔を
16:00:55
ヒゲはナイフでしっかり剃っているのか、触り心地はつるつるしていた
#
16:01:39
 ひんやりとした、力ない手だ。
 こうして腕を持ち上げて動かすだけでも、少女にとっては重労働なのだと知っている。
 ユーエンにとっては何のことはない所作でも、彼女は全力を費やさなければできないのだ。
 
 フェーレースの指が、そっと伝う。
16:02:31
 
「……顔、赤い」
ユーエン
16:02:31
「な、なんだよ」 軽くフェーレースの肘を支えて
16:03:08
「……バカヤロー」 >顔赤い 肘から手を離し
#
16:03:29
「うん」
 
 なんだよ、に対する返答にしてはやや噛み合わなかったが。
 まるで名残を惜しむように触れて――支えがなくなると、ゆっくりと腕が下りる。
16:04:08
 
「……ユーエンは、このままでいい」
ユーエン
16:04:52
「そうかい」 珍しく、少し優しい声で 窓の外を見ながら
#
16:07:58
 話の続きをせがむでもなく、少女も窓へと双眸を向けた。
 散歩道などを兼ねている施療院の裏庭が見える。
 樹木の枝葉が風にそよぎ、夏の花が揺らぐ。
 窓を縁取る白いカーテンと、少女の髪も、わずかにそよぐ。
 
 やがて、この日の面会時間が終わる。
 フェーレースは、他に来る人がいないのか、一日の面会時間をすべてユーエンに使う。
 別れるときには、まるで取り残された仔犬のようにも見えた。
ユーエン
16:10:23
「……」 面会を終え、部屋から出てきて
16:11:28
「(前は病人やら生気の無い奴ってのは嫌いだったもんだけど……ホント、奇妙なもんだな)」 なんて考える
#
16:14:49
 施療院は、総じて静かだ。
 時折、患者の世話をすべく看護師などが行き交うくらいである。
 行き届いた環境ではあるのだが、場所柄、活気などは望むべくもない。
 
 ――さて、君は、別日にまた少女を訪ねてもよいし、
 あるいは、なにか調べたいことなどがあれば、それを行なってもよい。
ユーエン
16:16:31
フェーレースの担当医に現状を聞きたいですー
#
16:19:46
 医師……白いローブを着た壮年の男性は、フェーレースについてはこう答えた。
 
「以前にも言ったとおり、症状は薬でなんとか和らげることができる。
 彼女の病は、残念ながら、通常の手段では完治できる類ではないが……
 ……生きる意志を持ち、諦めない限り、現状を維持できる目算は高いはずだ」
ユーエン
16:20:55
「はー、何も変わんねーのかこのヤブ医者ァ」 イライラした様子で
16:21:25
「おめーの話は聞いてもサッパリ分かんねえんだよな」
16:22:16
「なにが通常の手段だ。特殊な手段があんのかよォ」 「聞いてもオレにはチンプンカンプンなことだろうけどな」
#
16:23:19
 医師はひとつ苦笑して、言を足す。
 
「なにを精神論を、と思われるのは知っているよ。
 それでも実際、生きる意志は大きく影響する。
 細かい原理は君のために省くが……心が抗うことをやめたとき、肉体もそれに従うんだ。
 ――ああ、いや、降臨した神の奇蹟やそういったたぐいの話だよ、特殊とは」
ユーエン
16:24:06
「ハー神様か、くだんね」 椅子の背にもたれかかり 手をブラブラさせて
#
16:26:01
「……以前も話したが、もう少し、かみ砕いて説明してみるよ。
 彼女の病状は、簡単にいえば、生まれつきのものだ。
 肺に欠陥があって、成長と共にその影響が出た。
 才媛と呼ばれるほどの才能の代償……と言う人もいるが、まったく因果関係はないことさ」
ユーエン
16:26:08
「(”生きる意志”…… 生きる意志ってのは、誰かが与えてやれるもんなのか……?)」考え、途方に暮れる
16:26:54
「才能ォ?なんだそりゃ」 初耳だ、といった様子で
16:27:15
「あーなる前はなんかやってたのかよ」
#
16:29:57
「いずれにせよ、意識的に息をしなければ、彼女は力尽きる。
 それを援けるための薬を、用意することしかできないのが、現状だ。
 皮肉なことに、祈りではどうにもならない病状も、薬で緩和できる……現状は、こういうものだね」
 
 ――と、意外そうに、
 
「おや、仲良くしているから、てっきり、知っているものだと思っていたよ。
 彼女は、学院でも五本の指に入る付与術師でね」
ユーエン
16:31:47
「エンチャンター!?」 「(ば、バカな。俺のマギスフィアにはちっとも興味をしめさなかったクセに……)」 驚く
16:33:18
@ごめんなさい;; PLが無知なのですが、付与術っていうのは魔剣の魔力の付与とかでしょうか?あるいは錬金術師とかのことでしょうか
#
16:35:56
「派手な言葉は好まんが、才媛・神童やらといわれるたぐいのものだ。
 当人にしてみればそれが普通であるため、理解できない他人のほうが特殊に思えるものだが――
 ――諦念もあるのかもしれないが、周囲の嫉みなどに疲れたところもあるのだろう。
 …………そうか、君は、そういうことを気にせず接するから、彼女に触れ得るのかもしれないな」
 
 付与術師エンチャンターは、物質に込められたマナの扱いに習熟した加工技能者を表す。
 多くはアルケミストであるが、得意な分野の魔法に造詣が深いことも多い。
 品物に魔力を込める上で、自分自身もその魔法を扱えることが有効であるためだ。
ユーエン
16:36:18
@説明ありがとうございます;;
#
16:37:52
 ひらたくいえば、一般技能のエンチャンターのことに相違ない。
 卓越した域となれば、魔剣の加工も手掛けるだろうから、その意味で、どちらとしても正しい。
ユーエン
16:39:16
「(どうなんだ、あいつはまたエンチャンターに戻りたいって、考えてるのか……?)」 頭の中でぐるぐる考えて、医者の話が半分頭に入ってない
16:40:31
「(未練があるっていってたが、それがエンチャントのこと…… なのか……?)」外から見るとロダンの考える人みたいになってる
#
16:40:40
「学院からの見舞いなどは、彼女はすべてことわっていてね。
 君が――いや、余計な話をしすぎたかもしれない。
 次の患者が待っているのでね、よければ失礼するよ」
ユーエン
16:41:23
「え?あ?」 なんて言ってる内に 医者はいそいそといなくなってるだろう
#
16:42:12
 医師は会釈をして、去った。
ユーエン
16:43:03
「……ハア」 思索から戻った後 溜息をついて
16:43:46
「(俺は、何もしてやれない。せいぜい、ここに来ることぐらいしか……)」 ポケットに手を入れ、病院を去る
16:45:00
@次の面会日に、またフェーレースに会いにきたいです
#
16:47:00
 
 では――安静の日を挟み、数日後。
 
 この日は雨が降り、遠い潮騒のような響きが施療院を包んでいる。
 少女の病室を訪れる……戸の名札が裏返されているということはなく、まだ存命のようだ。
 
ユーエン
16:48:07
「(この名札を見る時が、一番ヒヤッとするぜ……。俺もどこかで、死んじまうかもしれないって、考えているのか)」 名札を眺め
16:48:23
いつものように ドンドンドン と荒っぽくノックをして、中に入る
16:48:45
「おい、きたぞー」 後ろ足で扉を閉め
#
16:51:55
 
 Feles.En.Niveous
 
 ――と名札にはある。今となっては、見慣れた文字列だ。
 騒々しくノックをして入室すると、少女はいつものように、
 両手を掛け布団の下へ入れて、上体を起こしている。
 じっとユーエンを見た。
 
「その戸、よく壊れないね」
ユーエン
16:53:03
「こんなもんで壊れちまうなら、取り替えたほうがいいな」 木椅子を持ってどかっと座り
16:54:09
「今日の調子はどうだ?」
#
16:55:49
 窓のカーテンは開いたままで微風に揺らぎ、降雨の湿った空気が入ってくる。
 女神フルシルの還流により、快適に保たれている室内だが、
 病状ゆえ、新鮮な空気が常に必要であるのだという。
 外が雷雨でも窓は開けていないといけない……
 という笑い話を(にこりともせずに)少女はしたことがある。
 
「ユーエンの顔を見たら、普通になった」
ユーエン
16:57:06
「最高から普通になっちまったのね」冗談言って
16:58:11
「まったく、雨が入ってきてしゃーねーな」 外を眺め
#
16:59:01
「…………」
 
 また、不思議と、なんだか怒ったような気配があった。
 あまり表情の変わらないフェーレースだが、付き合いが長いとなんとなく分かる。

「わたしのこと、聞いたんだね」
ユーエン
16:59:44
「…… な、なんだァ?」 (こ、こいつ、テレパス能力でも持ってんのか!?) 冷や汗かいて
#
17:00:47
「…………へんなこと考えてるでしょ。
 先生が謝ってただけ。あれでも誠意ある人だから」
ユーエン
17:02:05
「何を謝ったってんだ。別に……大したことじゃねーよ」 柄にもなく真面目なトーンで
#
17:04:01
「……うん」
 
 何に対する“うん”なのかは、よくわからないが、少女は小さく頷く。
 
「どうでもいいの。ユーエンが、変わらないなら」
ユーエン
17:05:15
「オレの何が変わるってんだ ヒゲかあ?」
#
17:06:33
 そう呟く少女は、ひときわ儚そうに見える。
 目を離せば、幻のように消えてしまうかもしれない――そんな錯覚を紡ぐかもしれないほどに。
 ベッドサイドをふと見れば、用意されている水薬の量が増えているのがわかるだろう。
 
「……髭は、ないほうが、いいと思う。
 すべすべだった」
ユーエン
17:07:13
「(あのヤブ医者……変わらないとか適当なこと言いやがって、薬増えてんじゃねーか……!)」 薬の量を見て
#
17:07:40
「…………どうしたの?」
ユーエン
17:08:01
「い、いや、なんでもねー」 椅子座り直し
#
17:09:18
 紅玉のような双眸が、じっとユーエンを映している。
 
「お話の前に、お願いがあるの」
ユーエン
17:10:18
「…… なんだ」 冷たい雨の中にも関わらず 汗をかく じっとフェーレースを見つめる
#
17:11:40
「着替える予定だったの。
 でも、看護師の人が忙しいみたいで、まだ来てないから」
 
 少女は淡々と言う。
 
「代わりに、して」
ユーエン
17:13:09
「(な、なにィーッ!!)」 声には出さないが激しく動揺する 椅子ががたっと揺れた
#
17:13:28
「…………どうしたの?」
ユーエン
17:13:49
「(願ってもない幸運(ラック)!あり得るのか、こんなことがーッ!)」
17:14:10
「……いいですとも?」 口調がおかしくなる
17:15:11
「で、どこをどうすればいい」 少女の傍に寄り
#
17:15:54
「……やっぱりいい、って言いたくなった、今」
 
 ジト目であった。
 ――が、そうは言わず、代わりに、身じろぎする。
 首を傾げ、長い髪が分けてこぼれると、白いうなじが露わとなる。
 そのまま、寝着を後ろで留める、いくつかの結び目も。
ユーエン
17:17:56
「なぜだっ、いいじゃねーか」 「それじゃ、外すぜ……」 結び目に手をかけ
#
17:18:13
「……うん」
ユーエン
17:18:48
「(うひょーっ、ご開帳)」 鼻の下がのびてる。 結び目をほどいてゆきます
#
17:20:04
 寝着の後ろが開かれ、そのまま細い肩から幾許か滑り落ちる。
 眩しいほど、雪のように白い柔肌と――
 ――背に描かれた、呪術的な魔法円が、外気にさらされた。
ユーエン
17:21:14
「(……これは、なんだ……?)」 魔法円について、平目で見識してみます
2D6 → 6 + 4 = 10
#
17:24:15
 真人ハイマンと呼ばれる種族が、魔法文明時代に生み出されたという。
 それらは高い魔力を得た代償に、総じて薄命となった。
 されど、魔法的に加工された魂は、輪廻に際しても濯がれきらないものか――
 いわゆる前世の追憶を宿す末裔も少なからぬものであり、それが魔法の才に繋がっている例もまた。
 きわめて希少な種であり……常に、絶滅の危機に瀕している。
17:25:20
 
「……くすぐったい」
ユーエン
17:26:00
「(ハイマンの魔法陣……!)」 
17:26:21
「(生への諦め……そういうことだったのかッ……!)」
17:26:42
「わ、悪い」 結び目を全て外し
17:27:25
すばやく替えの服をとって 「そんで、これでいいのか」
#
17:28:57
「…………うん」
 
 暫時の遅滞をどう取ったものか。
 だが、少女は何も問わず、代わりになるべく脱がしやすいように体を動かそうとする。
 
「着替える前に……したいことあったら、していい」
ユーエン
17:29:33
「したいこと?」 一瞬きょとんとして
17:30:10
「(したいことーッ!?)」ゆでだこみたいに頭からぴゅーと湯気が出る
17:31:02
「(このユーエン、普段から女にはセクハラ紛いのことばかりしてきたが、どいつもこいつも”つれない”女だったッ!)」
#
17:31:18
「…………」
 
 ちらりと肩越しに窺って……小さく溜息をついた。
 
「……顔、赤い」
ユーエン
17:31:31
「(それが今、”したいこと”だと!?)」手がたがた
17:31:46
「あ、あ、あ、赤くねえっ」
#
17:33:23
「ハイマンらしく、絶滅しないように子供を作るとか。
 産むまで生きてないかもしれないけれど」
 
 対して少女の側は、落ちついた声だ。
 諦念……とも違う、直向さのようなものがある。

「したくない?」
ユーエン
17:34:04
「……」 口をパクパクさせた後 はっ、と我に返る
17:34:33
「お前…… 未練っていうのは」
17:34:40
「”これ”のことか」
#
17:36:34
「……あと、そんなに反応されたら、わたしでも、少し……」
 
 恥ずかしい……という末尾は、口ごもるように滲み消える。
 フェーレースは、静かに首を横に振った。
 
「違うよ。
 わたしの未練は、ユーエン。
 あなたが死んで、来なくなったら、わたしも死ぬっていうだけの意味なの。
 …………鈍感バカ」
ユーエン
17:38:03
「……フッ」 笑って
17:38:55
服をぬがし、がつっと乱暴に片手で胸を揉む
17:39:14
その後、さっと新しい服をかけた
17:39:49
「今日はこれぐらいにしてやるよ バーカ」 笑って
#
17:41:02
 まだ育ちきっていない膨らみだが、若々しい弾力を返した。
 少女は、小さく身を震わせたものの、抗いはしない。
 まるで、何かの最後を待ち受けるみたいに――
 
 ――だから、続いて服をかけられると、不思議そうに見つめる。
ユーエン
17:41:31
「なんだ?どこまで行くと思ってた?」 新しい服の留め具をつけながら
17:42:32
「どうせなら、『してほしいです』ぐらい言ってみやがれ」 留め終えた後、布団をかけ
#
17:42:42
 それから、また、少し怒ったような……
 だが、本気で怒っているわけでもないような……
 そんな気配で、つんとして言う。
 
「最後まで。
 別に……してもよかったのに。他に相手、いないよ」
17:43:23
 
 続く言に、ちょっと拗ねたように。
 
「……もういい。今度・・言う」
ユーエン
17:43:26
「あいにく、お子ちゃまだろうがビッチだろうが関係ないんでな」 へらへらして
17:43:55
「さあ、いつになるかな」
#
17:44:28
「……でも、わたし、他に、できるお礼、あまり……」
ユーエン
17:45:08
「礼なんていらねー。俺はな、恩を売り買いするとか、そんなことちっとも信じちゃいねー
17:45:10
17:45:32
「つーことで、しばらくはお預けだ。”未練”を増やしてやるよ」 肩を軽くつっつき
#
17:47:11
 身じろぎを映じて、長い純白の髪が寝具上を滑る。
 つっつかれて……今更のように、青白い頬に仄かな朱が浮かんだ。
 
「……増えたら、死ねなくなるね」
ユーエン
17:47:59
「ああそうだな。せいぜい生きろ!」
#
17:50:54
 変わらず愛想のない表情のフェーレースだが、
 どことなく、前より晴れやかなようにも感じられる。
 
「ほんとはね。わたし、そろそろ、もうだめかなって。
 お別れなら、せめて……って。
 そう思ってた」
17:51:51
 
 小さく息をついて、
 
「でも、あなたは、こんなわたしに、元気をくれる。
 わたし……すっかり、あなたに依存して、なさけないね」
ユーエン
17:52:31
へ、と笑って 「俺が魅力的すぎるのがいけねーのかなァ」
#
17:53:01
「それはない」
 
 つんとして。
ユーエン
17:53:19
「あ、おい!」
#
17:56:22
「……治るものじゃないけれど、できるだけ、がんばる。
 ユーエンが……来るたびに、少しずつ、できるように」
 
 じっと、紅い瞳で見つめながら。
 少女は、努めて素っ気ない声で、そう続けた。
 
「……そこの引き出し、開けてみて」
17:56:51
 
 サイドテーブルの抽斗を、目線で示す。
ユーエン
17:57:31
「? 引き出し?」 引き出しをつかんで 「これか?」 開けてみる
#
18:01:28
 抽斗の中には……数枚の魔符と、封をされた手紙が入っていた。
 手紙の方は読まないでそのままにして――とフェーレースは言う。
 何のために書いた手紙なのかは、言わなかった。
 
 一方、魔符については……
 風雨の女神フルシルの聖印が描かれた、見慣れぬものだ。
 
「今のわたしに作れるのは、それが、精一杯。
 あなたを護る役に、立つといいな。
 …………冒険者、おめでとう、ユーエン」
ユーエン
18:02:12
「ふうん」 手紙はぽい、と引き出しの中に戻して
18:02:48
「こいつは……」 魔符を眺め
18:03:32
「なんだよ、立派な礼が、あるじゃねーか……」 うるっとくる
18:04:15
「ありがとよ」 魔符を掲げ
18:04:31
引き出しを閉める
18:05:01
「ま、使い道になるか分かんねーけどな」 ハッハッハ、と笑って
#
18:06:05
「よくわからない反応」
 
 少女は眉根を寄せていたが、
 
「……うん。
 冒険者になっても……どうかまた来て。
 バカなユーエンが、わたしの命綱なの」
ユーエン
18:06:28
「そりゃ光栄だな。また来ますとも」
#
18:09:01
「待ってる。
 それと、今回から、新しい挨拶を導入します」
 
 つんとして宣言したフェーリースは、
 目を閉じて、少しおとがいを上げる。
ユーエン
18:09:57
「なんだ急に改まって」 呆気にとられた顔で
#
18:10:06
 じっとそうするフェーレースの瞼は、少し震えている。
 これでも緊張しているのだろうか。
ユーエン
18:10:51
「……どうした?」 少し心配そうに
#
18:11:25
「……い、いつまで、こうしてればいいの、バカ」
ユーエン
18:12:59
「あ?」 「あ、薬か?」 棚から薬を持ってきて
#
18:13:21
「違っ…………もういいっ……」
 
 顔を赤くして、そっぽを向いた。
ユーエン
18:13:46
「ハア、そうかい」 薬を戻し
#
18:15:07
「また来てくれるときまで、顔も見たくない」
 
 ぷいっとして少女は言い放つ。
 
「だから、無事でいてね。さようなら」
ユーエン
18:16:05
フェーレースがそう言うと、そっぽを向いた頬にキスをする
18:16:57
くるりと振り返り 「あばよ」 背中越しにピースをして ドアの方へ歩く
#
18:19:13
「~~~~っ……」
 
 顔がもっと真っ赤になったところを、見ることはできなかったが。
 少なくとも――
 
 ――今にも死にそうな雰囲気は、失われていた。
18:19:24
 

 
あの白い部屋 end.
 
 
18:19:40
 
 経験点:1000
 報酬額:〈退散の魔符(3回)〉
 名誉点:10(施療院で評判に)
 
#GM
18:19:51
 お疲れ様でした!
ユーエン
18:20:02
「(あ、あの時ヤっておけばよかったか~~~!?)」 部屋を出た後、頭を抱えてへこむ
18:20:09
お疲れ様でしたー!
#GM
18:21:52
 フェーリースが付与した魔符は、このようなものです。
 蛮族や死霊と対峙する際、使いどころがあるかもしれません。
 ただし、聖印が別途必要なので、アクセサリー感覚としてでも装備を要します。
 ちなみにフェーレースの信仰は女神フルシル。  
名称:〈退散の魔符〉
知名度:14
基本取引価格:4000 G
種別:占具(カード)
用法:2H
形状:聖印が描かれた拳大の符
製作時期:現代
概要:疑似魔法【バニッシュ】使用可能、使用回数3
効果:
 蛮族やアンデッドを退ける力が封じられた魔符です。
 使用者は、MPを6点消費して、主動作で【バニッシュ】(⇒『Ⅰ』260頁)を行使することができます。
 2Hで装備して使用します。また、魔法の行使には別途、〈聖印〉が必要となります。
 魔力は「冒険者技能レベル+精神力ボーナス」です。また、あらゆる戦闘特技は適用されません。
 この魔符は3枚1セットで、使用するたびに1枚を消費します。
 SW2.0環境下では〈ミスティックカード〉としても使用できますが、同じく使用回数を消費します。
ユーエン
18:22:47
フェ、フェーレースすごいっ! ありがとうございます
18:24:19
セッションすごく楽しかったです!おかげさまで、ユーエンの設定の埋まってない所を埋めることができました!
#GM
18:24:55
 報酬としては2000G換算。
 
 それでは、ご参加をありがとうございました!
 初冒険ならPCの導入やRP練習、ある程度の経験があるPCなら掘り下げるべく……な企図の舞台でした。
 あまりないと思いますが、フェーレースが希望を失くすとバッドエンドでしたが――
ユーエン
18:26:34
ちょっと怖かった;;>フェーレースが希望を失くす
#フェーレース
18:26:41
 軽薄そうに見えてちゃんと決めるユーエン、かっこよかった。
 ……また来てくれるの、待ってる。
#GM
18:27:22
 それでは、ログは上納されます。
 また次なる冒険にて!
ユーエン
18:27:35
はーい!おつかれさまでした!
SYSTEM
18:27:40
ユーエン様が退室しました。
SYSTEM
18:28:36
GMペナルティ様が退室しました。
ユーエン
20回
30回
40回
50回
60回
70回
80回
90回
101回
110回
120回
1回平均10.000
2d6分布
1 + 1 = 2
0.00%
1 + 2 = 3
0.00%
1 + 3 = 4
0.00%
1 + 4 = 5
0.00%
1 + 5 = 6
0.00%
1 + 6 = 7
0.00%
2 + 1 = 3
0.00%
2 + 2 = 4
0.00%
2 + 3 = 5
0.00%
2 + 4 = 6
0.00%
2 + 5 = 7
0.00%
2 + 6 = 8
0.00%
3 + 1 = 4
0.00%
3 + 2 = 5
0.00%
3 + 3 = 6
0.00%
3 + 4 = 7
0.00%
3 + 5 = 8
0.00%
3 + 6 = 9
0.00%
4 + 1 = 5
0.00%
4 + 2 = 6
0.00%
4 + 3 = 7
0.00%
4 + 4 = 8
0.00%
4 + 5 = 9
0.00%
4 + 6 = 10
0.00%
5 + 1 = 6
0.00%
5 + 2 = 7
0.00%
5 + 3 = 8
0.00%
5 + 4 = 9
0.00%
5 + 5 = 10
0.00%
5 + 6 = 11
0.00%
6 + 1 = 7
0.00%
6 + 2 = 8
0.00%
6 + 3 = 9
0.00%
6 + 4 = 101回
100.00%
6 + 5 = 11
0.00%
6 + 6 = 12
0.00%
合計1回平均10.000
2d6合計分布
20回
0.00%
30回
0.00%
40回
0.00%
50回
0.00%
60回
0.00%
70回
0.00%
80回
0.00%
90回
0.00%
101回
100.00%
110回
0.00%
120回
0.00%
1/2d6分布
10回
0.00%
20回
0.00%
30回
0.00%
41回
100.00%
50回
0.00%
61回
100.00%
発言統計
その他(NPC)84回39.6%8280文字68.9%
ユーエン128回60.4%3741文字31.1%
合計212回12021文字

ログ作成者