私が日記を書くのはこれで終わりになることでしょう。

友人達への挨拶を終え、アルストロメリアさんに記憶を復元してもらうことになりました。
準備を待つ間の時間を利用してこれを書いています。

私を止める人もいれば、悲しむ人も、背中を押す人もいましたし、興味があまりなさそうな人もいました。

いろいろな人を見てきました。
愛される人、愛し合う人、愛している人、愛し合うのに殺し合う人。
奪われた人、自ら捨てた人、なくした人。
取り戻そうとする人、諦める人、どうしていいか分からない人、壊れた人、守ろうとする人、全てを壊そうとする人。

正直、そんな経験ができること自体羨ましいと思っています。
私には愛と言うものが理解できません。
"私"の記憶にもそういった経験はあるのでしょうか。

魔法の記憶ももちろん動機ですが、もし廃人にならなかったら、もう少し感情と言うものを理解していたいです。

"私"へ。
あなたがどんな思想を持ち、どんな価値観をしているかは分かりません。
仕えた王がいないからと絶望しないでください。
もし、私が残って居るのであれば、皆と仲良くしてあげてください。
以上です。