依頼を終えたあとの帰り道に、あいにくの雨となりました。 偶然にも館の近くを通りましたので、そこで一晩の宿を取らせていただくことに。 館の主は未だにあどけなさの残る少女でした。聞くところによると、都合により生家を去ることになっていたそうです。 その前に、亡き父への最後の挨拶を済ませたい、という少女の願いを聞き、一宿一飯の恩義を感じていた我々は引き受けることにしたのです。 諸事情により依頼の詳細は伏せますが、少女はきっと、これから先も苦難を乗り越え生きていくでしょう。 過去はすでに過ぎたこと、ボクも前を向く時が来たのかもしれません。少女との約束を違えぬためにも。